二人以上世帯のテレビの保有台数が2台を下回る、スマホがテレビの3倍のスピードで普及
- 細田 立圭志

- 3 日前
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内閣府の消費動向調査によると、2025年に二人以上世帯のテレビの保有台数が2台を下回った。一方、スマートフォン(スマホ)は2.28台となっている。テレビの保有台数が1台を超えてからピークに達するまでに30年かかったのに対し、スマホはわずか10年、3倍のスピードで普及した。スマホで動画配信サービスを楽しむなど視聴スタイルの多様化が、テレビの保有台数の低下につながっている。

「家電の王様」だったカラーテレビのピークは2005年
日本初のカラーテレビは、カラー放送の本放送が始まった1960年に東京芝浦電気(現・東芝)が開発した。カラーテレビの保有台数の統計を取り始めたのは1967年からだ。表の単位は100世帯当たりの平均保有台数のため、1世帯当たりに換算すると当時は0.016台となる。白黒テレビが主流で、カラーテレビは高根の花だった。
1970年代に入ると、「新・三種の神器」としてカラーテレビ、エアコン(クーラー)、自動車が3Cとして急速に家庭に普及。カラーテレビの保有台数は、75年に初めて1台を超えた。
2台になるのは91年で、ピークは2005年の2.5台だ。1台からピークを迎えるまで、実に30年の年月を要している。長らく「家電の王様」として君臨していたテレビは、ブラウン管テレビから液晶やプラズマの薄型テレビに形を変え、大画面化が進んだ。2011年7月のアナログ放送停波による買い替え需要も盛り上がった。
しかし、カラーテレビの保有台数はピークを境に減り続けている。「世界の工場」として中国や台湾メーカーが台頭し、国内テレビメーカーは次々とその傘下に入った。16年にシャープが鴻海精密工業に、18年に東芝映像ソリューションがハイセンス傘下に入り、21年に現在のTVS REGZAに社名変更している。26年1月にはソニーが事実上、TCLの傘下に入ることを発表。3月31日、TCLが51%、ソニーが49%の出資比率となる新会社・BRAVIAを設立した。
2021年にテレビとスマホが逆転
テレビの保有台数が減る一方、スマホは増えていった。特に注目したいのが、その急速な伸びだ。統計に表れた14年は、1.01台だった。それからわずか10年後の24年に、2.31台のピークを迎えた。実に、テレビの3倍のスピードで家庭内に浸透していった。
もっとも、25年は2.28台に下がったとはいえ、それをもって24年をスマホの保有台数のピークと判断するのは、まだ早いのかもしれない。ちなみに、テレビとスマホが逆転したのは21年。テレビの2.07台に対し、スマホは2.08台で、この年を境に両者の差は開いていった。
テレビからスマホへと視聴の主軸がリプレースされた背景には、スマホで動画配信サービスを楽しむ、視聴スタイルの多様化がある。Prime Video、YouTube、Netflix、Hulu、ABEMA、FOD、U-NEXTなど選択肢が増え、スマホでいつでも好きな時間に動画が楽しめる。NHKや民放もNHK ONEやTVerなどネット配信サービスを充実させている。
これらのサービスでは見逃し配信ができるので、テレビの外付けHDDやBDレコーダーに録画する行為そのものが不要だ。
二人以上世帯のテレビの保有台数が2台を下回ったのは、1990年以来35年ぶりの出来事。減少スピードはさらに加速しそうだ。(BCN総研・細田 立圭志)



