<2026年どうなる家電量販店>エディオンは家電量販初の施策、池袋の出店なくても増収のヨドバシカメラ、手堅く増益のケーズデンキ
- 細田 立圭志

- 2月6日
- 読了時間: 6分
短期連載<2026年どうなる家電量販店>では、2025年の家電流通市場や決算資料などを振り返りながら、家電量販店各社の26年を占う。今回はエディオンとヨドバシカメラ、ケーズホールディングス(ケーズHD)の3社をみよう。

家電量販初の施策で攻めるエディオン
エディオンの26年3月期上期決算は、猛暑によるエアコンとWindows 10のサポート終了(EOS)に伴うPC需要をはじめ、スマホ、ゲームが好調だったが、粗利ミックスで粗利益率が前年より0.27ポイント下回り、増収減益となった。売上高は3856億6800万円(前年同期比101.4%)、営業利益は137億8700万円(同95.1%)、経常利益は143億5300万円(同95.5%)、当期純利益は93億3600万円(同93.1%)だった。
エディオンについては、家電量販業界初の新しい試みについて二つ取り上げたい。まずは、一つのアプリで異なるメーカーのスマート家電を遠隔操作できる「エディオンスマートアプリ」の開発・サービスインだ。25年4月にリリースしてから想定以上のダウンロード数で手応えを得ているという。
通常のスマート家電では、異なるメーカーごとのアプリをスマホにダウンロードし、アカウントの設定などは顧客の自己責任だ。操作も、それぞれのメーカーのアプリを立ち上げるなど煩雑だ。その点、エディオンは商品の配送や設置・設定などのサービスも展開しているので、スマートアプリの設定や家電との接続・設定もしてくれる。しかも、他店で購入した商品との接続も設定してくれるという。
10月には、家電量販店として初となるデジタルイノベーション総合展「CEATEC 2025」に出展して話題になった。そのブースでも、エディオンスマートアプリを全面押ししていた。世界でも遅れているといわれる日本のスマート家電普及の推進力になりそうだ。
もう一つは、11月から提供を開始したメーカー横断型の「全額返金保証」だ。機能やデザインは気になるけど買い物に失敗したくない、使ってみないとおいしさが分からないなど、家電の購入には心理的なハードルが高い。物価が高騰している現状なら、なおさら高い。

同サービスは、対象となる家電を2週間使ってみて、気に入らなかったら全額返金保証するというもの。消費者にとってはノーリスクだ。単独メーカーによる同様のサービスはこれまでにもあったが、複数メーカーを横断する形で品揃えできるのは、家電量販店であるエディオンならではの強みだ。

最後に、今後の注力事業となるリフォームも紹介しよう。25年、エディオンは企業ブランドのタグラインを「家電と暮らしのエディオン」から「家電とリフォームのエディオン」に変更した。09年に本格参入したリフォーム事業は、25年3月で668億円まで拡大。年間施工数は14万件超で、グループの売上高比率で8%以上となる第二の収益柱に成長した。今後はグループ売上高の10%超を占める1000億円を目標に据える。
池袋のオープンはいつ?大阪・梅田で稼ぐヨドバシカメラ
ヨドバシホールディングスは非上場だが、売上高と経常利益を公表している。25年3月の売上高は8162億円(同108.0%)、経常利益は688億円(同113.2%)の増収増益だった。売上高は前年から602億円を積み増し、経常利益率は8.4%の高さを誇る。

ヨドバシカメラといえば、気になる東京・池袋の進出が「25年以内」と報じられたが、年内のオープンはなかった。西武池袋本店を大規模改装したヨドバシの店舗はいつオープンするのか。業界関係者の間では、「最大需要期である年末商戦でのオープンを逃したが、最低でも次の26年春の新生活商戦を狙っているのではないか」との声も聞かれたが、今なおオープンする気配は見えない。

もっとも、大阪・梅田エリアや新業態では、新たな取り組みにチャレンジする姿勢を崩していない。25年4月にマルチメディア梅田に日本酒の試飲ができる体験型テーマパーク「Yodobloom SAKE 梅田店」をオープン。公式アプリやウェブから予約し、30分1000円からの時間料金制で、季節ごとに厳選された約100種類の日本酒を試飲できる。日本酒を瓶で買っても飲みきれない、いろいろテイスティングしたいというニーズなど、インバウンドにも響く施策だ。

10月にはマルチメディア梅田と一体となっている複合商業施設「LINKS UMEDA(リンクス梅田)」の26店舗を順次、大規模リニューアル。1、2階にユニクロのグローバル旗艦店で西日本最大の「UNIQLO UMEDA」オープンさせた。他のフロアにも、関西初出店・大阪市内初出店の新店舗やリニューアル店舗などが、続々とオープン。リニューアルアンバサダーにゆうちゃみさんが就任するなど、大阪・梅田エリアを盛り上げる。池袋のオープンが延びる中でも、梅田でしっかりと売り上げを確保するという戦略が見え隠れする。
売上高は前年並みもしっかり増益、手堅さが光るケーズHD
ケーズホールディングス(ケーズHD)の26年3月期上期決算は売上高が3766億5600万円(同100.0%)、営業利益は130億2600万円(同108.6%)、経常利益は145億7100万円(同104.1%)、当期純利益は105億100万円(同108.3%)だった。
売上高は前年並みだったが、しっかりと増益を確保した。高付加価値商品の販売が奏功した。また、スマホやPCなどで粗利益率を押し下げたのは他社と同様だが、売り上げ増による仕入れが順調で、リベートを確保できたことが増益の要因になったという。

上期で前年を上回った商品は、PC・情報機器(同139.7%)、PC周辺機器(同100.7%)、携帯電話(同123.7%)、調理家電(同101.1%)、エアコン(同103.0%)だった。一方でテレビ、BDレコーダー、音響商品、冷蔵庫、洗濯機、クリーナー、理美容・健康器具などは前年を下回った。
25年5月に発表した通期見通しから、さらにポジティブに上方修正した商品も示している。PCはEOS終了後も買い替え需要は続く。法人と違って個人では、まだ買い替えていない層が相当数残っており、ゆるやかに減りつつも需要は継続する。

エアコンは東京ゼロエミの継続や、12月以降の厳しい寒さと、気象庁の見通しなどから好調に推移すると予測。季節家電では、安心安全のハイブリッドセラムヒートの人気や、スチーム加湿器の買い替え需要、電気代を節約するために部屋全体ではなく、個々の使用環境に合わせて使うパーソナル暖房などが話題で売れると予測する。
通期での出店計画は前期差で1店舗のプラス、売場面積もほぼ前期比並みのプラス8769平方メートルで同100.4%の計画だ。売上高が前年並みでも、しっかりと利益を確保するケーズデンキらしい「がんばらない経営」の堅実さは、こんな数字からも読み取れる。(BCN総研・細田 立圭志)




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