プロジェクター市場が再拡大、エプソン一強から競争構造へ転換
- 森英二

- 41 分前
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映像を映し出す機器といえば液晶・有機ELの薄型テレビや液晶ディスプレイが主流だが、プロジェクターも徐々に存在感を高めている。プロジェクター市場がコンシューマー向けとして大きく注目を集めたきっかけは、コロナ禍だ。在宅時間の増加に伴い動画配信サービスの利用が拡大したことが大きな理由の一つに挙げられる。大画面で映像を楽しめる機器として、テレビだけではなくプロジェクターの需要も伸長した。
コロナ禍以降の市場動向

2020年1月の販売数量を「100.0」とした指数でみると、20年から22年春ごろにかけ、基準を上回る水準で推移していた。その後は反動減による低迷で、23年10月に底を打った。24年以降は回復基調に転じ、足元では需要の再拡大が鮮明になっている。
また、需要期にも変化があらわれた。従来、プロジェクターは引っ越し需要が集中する3月、年末商戦の12月に需要が高まる傾向が強かった。しかし22年以降は新たに7月にも山が形成されるようになり、現在は「3月・7月・12月」と年3回の需要期が定着しつつある。
コロナ禍を契機とした利用シーンの広がりに加え、季節需要が増えたことで、プロジェクター市場は構造的な拡大フェーズに入りつつある。
メーカー勢力図に変化、エプソン一強崩れる

市場が再び拡大局面に入るなかで、メーカーシェア争いにも変化が生じている。シェアの推移から実態を整理していく。
24年半ばにかけてのプロジェクター市場は、エプソンが4割前後のシェアを占める一強構造にあった。しかし同年8月以降は同社のシェアが緩やかに低下し、足元では2割台まで縮小している。これは販売数量が大幅に減少したためではなく、市場全体の販売数量が拡大したことによる相対的な低下である。
Ankerの台頭が変化の起点と言ってよいだろう。22年以降、シェアを拡大し、一時は3割を超える水準に達した。徐々にエプソンに迫り、24年8月には0.1ポイントの僅差ではあるが首位に立った。こうした動きにより、Ankerが従来のシェア動向に風穴を開けた。
さらに直近では、Aladdin Xが23年以降、本格的にプロジェクター市場へ参入。25年以降は10%を超える規模まで成長した。また、XGIMIも同様にシェアを拡大しており、市場の活性化に貢献している。

プロジェクター市場は従来の“エプソン一強”から、複数メーカーでシェアを争う構造へと移行している。特に新興勢の伸長は、新たな需要の広がりを背景としており、市場の質的変化をもたらしている。製品別ランキングをみても、新興メーカーの存在感の高まりが確認できる。(BCN総研・森英二)



