11月1日施行の「新免税制度」、ヨドバシカメラはその場で免税還付額を現金で受け取れる「市中リファンド」を提供
11月1日から施行される新免税制度(リファンド方式)は、家電量販店のインバウンド事業にも影響を与えるといわれているが、どの程度の影響を及ぼすかは未知数だ。そんな中、ヨドバシカメラは10月28日、主要11店舗でその場ですぐに免税還付額を現金で受け取ることができる「市中リファンドサービス」の提供を開始すると発表した。

「転売ヤー根絶」が狙いの新免税制度
新免税制度(リファンド方式=事後還付方式)は、現行の店頭での即時免税から、出国時に税関の確認を経て消費税の還付を受ける方式に全面移行する。
リファンド方式は海外では一般的で、レジで消費税を含む税込価格をいったん支払い、出国時に空港や港などの税関で免税書類と購入品を提示し、確認がとれたら還付カウンターで消費税相当額が返金される仕組みだ。クレジットカードの場合、後日振込で返金される。
日本ではこれまで、店頭でパスポートを提示すれば、最初から消費税を差し引いた税抜き価格で購入できた。インバウンド(訪日外国人)にとっては円安によるお得感がある上、さらにその場で免税が受けられるとあって使い勝手がよかった。一方で、免税で仕入れた商品を日本国内で売りさばく不正転売の温床にもなっていた。新免税制度への全面移行は、不法な転売行為を根絶する狙いがある。
「市中リファンド」の現金を追加の買い物に使ってもらう
ヨドバシカメラが提供する「市中リファンド」は、購買時は一度消費税を含む金額(税込価格)で決済し、その後、店舗の免税カウンターで所定の手続きを経て消費税分の還付(リファンド)を受け取る方式となる。
ただし、店頭で事前に還付を受けた場合でも、日本の法令に基づいて出国時に空港や港の税関で、購入商品とパスポートなどを提示する所定の手続きは必須となる。

手続きが増える分、従来の店頭即時免税と比べると使い勝手は低下するが、ヨドバシカメラでは、店頭手続きで受け取った還付金は、滞在中の観光や飲食、追加ショッピングなどで即座に活用できるとして、利便性が高まるとみている。
リファンド方式よりも市中リファンド方式の方がインバウンドを取り込めるとなれば、同様のサービスを提供する家電量販店も増える可能性がある。そうなった場合、「転売ヤー根絶」を狙っているリファンド方式が、有名無実化してしまわないだろうか。この点、店頭での手続きと出国時の照合があわなかった場合、対象者を追及できることが歯止めになりそうだ。
市中リファンドサービスの対象となる主要11店舗は、新宿西口本店、マルチメディア池袋、マルチメディアAkiba、マルチメディア上野、マルチメディア横浜、マルチメディア梅田、マルチメディア京都、マルチメディア名鉄名古屋店、マルチメディア博多、マルチメディア札幌、マルチメディア仙台。
その他のヨドバシカメラの店舗やグループの石井スポーツ・アートスポーツ全店、ヨドバシ建物が運営・管理する商業施設LINKS内店舗(一部)では、11月1日からの新免税制度に対応した運用を開始する。(BCN総研・細田 立圭志)





