top of page

AIエージェント時代のPCとは?VAIOが考える「クラウド」と「エッジ」のハイブリッド使用

VAIOの製品開発の責任者である林薫取締役執行役員常務 開発本部本部長は4月初旬、VAIO初となるAI PCの「VAIO SX14-R」シリーズの製品説明会に際し、VAIOが考えるAIエージェント時代に求められるPCの役割と将来性について語った。「人間を超える賢さをもったクラウド上のAIと、個人の理解に特化したエッジAIをハイブリッドで使う時代がくる」との見解を示した。


林薫取締役執行役員常務 開発本部本部長
林薫取締役執行役員常務 開発本部本部長

AIと一緒に考えるコミュニケーションツールに


 VAIO SX14-Rは、Windows OSの新しいAI機能である「Copilot+PC」の「Recall(リコール)」(プレビュー版)などを搭載する。語り掛けるだけで、PCの画面に表示されたほとんどの情報を呼び出せる。ファイル名やキーワードで検索する必要なく、言葉で説明するだけでPCの中にある適切な情報を自動的に探してくれる。


 PCが人に代わって作業を行ってくれるAIエージェントのまだ初歩的な機能だが、林常務は「AIはこれまでのような『使う道具』ではなく、人と並んで一緒に働く存在に変わろうとしている。PCの役割も大きく変わる」として、二つの点に注目する。


 一つは「AIエージェントと人間が共同で作業する時代には、PCは単なる作業端末ではなく、AIと向き合い、対話し、ともに考えるコミュニケーションツールになる」という視点。


 新型コロナ禍により、PCはリモートコミュニケーションツールとしての役割が求められたが、次の時代はAIとのコミュニケーションツールとしての役割を担うというわけだ。


 もう一つは、本人とAIエージェントがPCの中で一緒に作業して学習しながら、一人一人の異なるクローンAIが育っていく姿だ。


 「一人一人の価値観や仕事の進め方を理解したもう一人の自分であるAIエージェントが存在するようになるでしょう。本人とそのクローンAIが、同じゴールを目指しながら並んで働く環境の中で、エッジデバイスであるAI PCには、クローンAIを守りながら育てるための基盤が求められる」と予測する。


「VAIO SX14-R」シリーズ
「VAIO SX14-R」シリーズ

AIはクラウドとエッジのハイブリッド


 林常務は、人間を超えた賢さを持つクラウドAIと、個人の価値観や性格、仕事の進め方を理解したエッジAIをハイブリッドで使う時代がくると予想する。秘匿性の高い個人情報を反映したクローンAIが、セキュアな環境に守られながら育っていくには、クラウドではなく、エッジデバイスであるAI PCの存在が欠かせないという。


 「AIエージェントは極めて個人的なものであり、その機密性を考えると、エッジの中で学習をさせ、育てていくことになるでしょう。エッジデバイスであるPCには、その基盤としての役割が求められる。現在のNPU(Neural Processing Unit)はまだ補助的な役割だが、その時代においては個人AI学習の主役となる可能性がある」と、AI専用に進化したNPUの可能性にも触れた。


WEBカメラはセンシングデバイスに


 また、「WEBカメラもコミュニケーションツールというより、センシングデバイスとしての役割に進化していくかもしれない。VAIO User Sensingのような、センシング機能には引き続き力を入れていきたい」と、個人の状態や周囲の環境などを把握するセンシング技術の進化についても語った。


 既にVAIO User Sensingでは、「着席オートログオン」や「離席オートロック」、ユーザーが画面を見てないと節電する「ノールック節電」や背後からのぞき見を検知する「のぞき見アラート」など、ユーザーの状況を把握しながら自動で動作する機能が備わっている。


 「PCに搭載されたセンシングデバイスから得られる情報は、AIを個人に寄り添う形にカスタマイズするために有用なものになる」と語る。


サブディスプレーは必須アイテムに


 AIエージェント時代は、インターフェースの変化も起きると指摘する。例えば、サブディスプレー。


 「PCでの多くの作業がAIと人間の共同作業になっていく中、現在もAIチャット画面を常に開いて使っている方がいる。AIエージェント時代になると、人が考え、横でAIが作業を進め、その進捗状況を人が確認しながら新たな指示を出す。そのためには、AIが今何をしているのかが見える専用の作業領域やディスプレーが必要になる。サブディスプレーは今よりももっと重要になる可能性がある」と林常務。VAIOでは、どこでも2画面の環境がつくれる「VAIO Vision+ 14」というソリューションを持ち合わせている。


VAIO Vision+ 14
VAIO Vision+ 14

 最後に、「秘匿性の高い個人情報だからこそエッジで扱うという点において、『Copilot+PC』の『リコール』は既に良い事例だと思っている。VAIOはこのような未来に向けて着実に進化していく」と語った。もう一人の自分としてクローンAIを育成していくために、エッジデバイスであるPCの重要性が今以上に増すという見方には説得力がある。(BCN総研・細田 立圭志)


外部リンク

bottom of page