「外付けHDD」も価格急騰!2年間で容量(TB)単価は「72%」高騰
- 細田 立圭志

- 1 日前
- 読了時間: 5分
テレビ番組の録画やノートPCのデータバックアップなど、気軽に出し入れして持ち運べる外付けHDDにも、価格高騰の波が押し寄せている。全国の大手家電量販店やAmazonなどECサイトから日次で収集・集計するPOSデータ「BCNランキング」の3月の月次データによると、市場全体の平均単価は1万9596円で、前年より3908円値上がりした。もっとも値上げ幅の大きいバッファローが、販売台数シェアでトップというのも興味深い。上位3社の人気モデルをチェックしながら、2023年3月以降の容量(TB)当たり単価の変動も追ってみた。

値上げ幅が大きいバッファロー、IOデータ機器は4月以降に反映か
「BCNランキング」の2026年3月のデータによると、外付けHDD市場はバッファローとエレコム、アイ・オー・データ機器(IOデータ機器)、ウエスタンデジタル、シーゲートの5社で市場の98.2%を占める。販売台数シェア1位はバッファローで、半数を超える57.4%を獲得。2位がエレコムの17.3%、3位がIOデータ機器の13.6%となっている。

平均単価の前年比較をみよう。全体は1万9596円で、前年より3908円上がっている。バッファローは1万8432円で、前年より4301円値上がり。エレコムは1万6248円で、前年より3953円のアップ。IOデータ機器は1万9778円で、前年より1791円のアップだ。
上位5社の中で、もっとも値上げ幅の大きいバッファローが販売台数シェアで1位を獲得している。バッファローは25年4月と26年1月に、ポータブルHDDや外付けHDDの値上げを実施しており、その影響もありそうだ。
エレコムは業界平均並みの値上げ幅、IOデータ機器は業界平均や他社よりも値上げ幅が小さいものの、そもそも平均単価がバッファローやエレコムより高い点も加味する必要がありそうだ。
またIOデータ機器は、26年1月に値上げを実施しているが、外付けHDDでは「24時間録画対応HDD」5機種のみで、本格的な値上げは26年4月に「個人・家庭向けHDD」の43機種で実施している。そのため、3月のデータに反映されていないということも考えられる。
バッファローはロングセラー、エレコムは2TBモデルが人気
次に、BCNランキングの機種別データから、上位3社でもっとも売れている製品をみよう(PB製品は除く)。

バッファローの人気モデルは「HD-PCG1.0U3-BBA」。容量は1TBで、価格は1万6610円。販売台数シェアは1.68%だ。18年5月に発売した製品で、ロングセラーのヒット商品であることがわかる。
底部の衝撃吸収材が、本体に与える衝撃を吸収して大切なデータを守ってくれる。側面に入った複数のスリットや、滑りにくいゴム素材の採用も、持っているときにうっかり落としてしまわないための配慮だ。
外付けHDDの異常を感知したら、故障予測通知時はオレンジ色に、HDD異常時は緑色とオレンジ色に交互に点灯して知らせてくれる。また、独自の故障予測サービス「みまもり合図」に対応。製品をつなげているPCに、ソフトウェア「みまもり合図」をインストールしておけば、異常を検知したら即座に知らせてくれる。いざという時の安心感も、同製品が人気の秘密なのかもしれない。

エレコムの人気モデルは「ELD-HTV020UBK」。テレビ向け外付けHDDで、2TBの容量ながら販売台数シェアは3.79%で1位だ。対応のテレビと接続すれば、2番組同時録画もできる。オープン価格だが、直販サイトで1万6280円(4月14日現在売り切れ)という安さも魅力なのだろう。
縦置きと横置きに対応するので、テレビ周りのすき間に設置できる。またファンレスの静音設計なので、寝室のテレビの録画用としても最適だ。
WEBや電話、チャットによる「エレコムあんしんサポート対応」も受けられる。初めてHDDを購入する人にも安心して推奨できる。

IOデータ機器の人気モデルは「HDPH-UTV2K」。手のひらサイズのコンパクト設計ながら2TBの大容量。持ち運びしやすく、家族や友達とデータの受け渡しが手軽にできる。価格は4月1日の改定により2万3100円となっている。販売台数シェアは0.94%だ。
テレビ録画はもちろん、PCのデータ保存にも対応。PCの大切なデータをバックアップしたり、他のPCで見たりコピーしたりできる。寝室で使っても音が気にならない静音設計である。
また、外付けHDDの使用状況をWindows専用アプリ「診断ミレル」でチェックできる。使用しつづけると物理的な劣化で故障につながる外付けHDDは、定期的に買い替えが生じる。アプリで定期的に確認することで、買い替え時期の目安を知ることができる。データがなくなってしまうという最悪の事態を未然に防いでくれるアプリだ。
25年12月から状況が一変。TB単価が急騰
最後に、BCNランキングを使って容量(TB)当たりの単価の変動もみていこう。前述した平均単価の前年比較は、製品の大容量化が進めば、おのずと平均単価も上がってしまうことが考えられる。そのため、平均容量(TB)とTB単価の推移をチェックすれば、本当に値上がりしているのかどうかが把握できる。

グラフは23年3月から月ごとの平均容量(TB)とTB単価の推移を追ったもの。23年3月~24年1月は、3.0~3.4TB近くまで大容量化が進んだのに対し、TB単価は3742円から3420円まで下がっている。全体的に値下がり傾向にあることがわかる。
逆に24年2月~25年2月は、平均容量が3.2~3.4TBを行き来しながら、TB単価は3754円から5134円まで上がっている。平均容量はそれほど変わらず、単価が上がっているため値上げ傾向にある。高騰率は実に36.8%増だ。
25年3月~25年11月は再び大容量化が進むが、TB単価は4917円から4540円まで値下がりしている。25年11月の平均容量は3.9TBまで上がり、TB単価は4540円だった。
状況が大きく変わるのは、25年12月~26年2月。平均容量は3.6TBから3.4TBまで下がっているのに対し、TB単価は4642円から5881円まで急騰している。高騰率は26.7%で、明らかに値上げの影響が反映されていることがわかる。
ちょうどAIのデータセンター向けメモリーの供給で価格が高騰し、コンシューマ市場における品薄が報じられた時期と重なる。BCNランキングのデータが、外付けHDDでも同じ時期に価格が急騰したことを裏付けた形だ。24年1月~26年2月の2年間でみれば、TB単価の高騰率は72%。直近3月のTB単価は若干下がっているものの、予断を許さない状況が続く。(BCN総研・細田 立圭志)



