底堅く推移するUSBメモリ市場、首位バッファローに肉薄するキオクシア
- 大嶋敬太

- 1月28日
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最近では、クラウドストレージや外付けSSDが普及しているものの、USBメモリ市場は堅調な動きをみせている。家電量販店やネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」によると、2025年の販売数量は前年並みを維持した。手軽に持ち運べる物理メディアとしての利便性や、ネット環境に依存せずにデータの受け渡しが可能といった特性から、今後も一定の市場規模は維持されるとみられる。

メーカー別販売数量シェアをみると、25年12月時点では1位がバッファロー、2位がキオクシア、3位がエレコムとなった。なかでも販売数量を大きく伸ばしたのがキオクシアだ。24年1月で6.7%だったシェアは、同年10月に18.5%とエレコムに僅差で2位争いを展開。25年3月に21.6%でエレコムを上回り、以降2割台を維持している。同年11月には首位のバッファローに0.2ポイント差まで迫った。翌12月は再び8.4ポイント差まで水をあけられたが、首位を充分に狙える位置にいる。
キオクシアは、NANDフラッシュメモリを自社で開発・生産するメーカーであり、国内コンシューマー市場に加え、法人向けや海外市場でも実績を積み重ねてきた。こうした取り組みにより、NANDフラッシュメモリ分野における国際的な存在感が高まったことが、販売数量を押し上げた要因の一つとみられる。さらに、NAND需給の逼迫を背景に同社の株価が大きく上昇するなど、資本市場での評価も追い風となっている。
同社のシェアを最も牽引した製品は、「TransMemory U202 USBフラッシュメモリ」だ。25年の製品別販売数量ランキングでは、同製品の32GBモデルが1位を獲得した。インターフェースはUSB 2.0、Type-A接続のみというシンプルな仕様の製品である。USBメモリの接続端子は、販売数量ベースでは依然としてType-Aのみ対応のモデルが多くを占めるが、Type-C対応やType-C/Type-A両対応の製品も増えつつあり、スマートフォンでの利用を想定した製品も登場している。また、Type-C端子のみを搭載するノートPCも増加している。接続環境の変化を受け、今後はType-C対応製品への置き換えが徐々に進んでいくとみられる。

容量面でみると、23年から25年のボリュームゾーンは32GBに変わりはない。しかし、42.6%から39.3%へと3.3ポイント減少している。また、16GBでは23年に30.3%占めていたが、25年には21.7%と8.6ポイントのマイナス。一方、64GBは25年に22.4%に達し、2年で6.2ポイント増加した。128GBも23年の6.2%から4.6ポイント上昇し、10.8%と1割を超え、大容量化が着実に進んでいる。容量が大きいモデルほどGB単価が低くなる傾向にあり、価格面での割安感が大容量モデルの購入を後押ししているとみられる。
今後のUSBメモリ市場は、急成長は見込みにくいものの、用途の広がりや製品構成の変化が進む局面にある。一方で、NANDフラッシュメモリ全体では、今後、需給バランスの崩れを背景とした価格上昇の動きが指摘されている。需給逼迫は当面続く見込みで、USBメモリ市場においても影響を及ぼす可能性がある。(BCN総研・大嶋敬太)




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