Wi-Fi 7へ世代交代進む、無線LANルーター市場
- 大嶋敬太

- 7 日前
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家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」によると、無線LANルーターの市場は年々縮小している。新生活や引っ越しが集中する3月は例年販売のピークとなるが、需要期においてもその動向は明らかだ。2022年12月を「100.0」とした指数では、23年3月の指数は119.4だったが、24年3月は94.5、25年3月は90.5と減少している。

総務省の公表データによると、FTTH(光ファイバー)アクセスサービスの純増数は、24年1~3月期に約88万件、4~6月期に約85万件、7~9月期に約83万件と、右肩下がりで推移している。特に25年7~9月期は約41万件まで減少した。サービスの契約純増数の鈍化が、無線LANルーターの新規購入や買い替え需要にも影響を与えており、販売台数指数にあらわれている。

規格別に目を向けると、Wi-Fi 7対応ルーターの構成比は拡大している。24年12月に10.0%と2ケタに達した後、構成比は増加し続け、4月には13.3%とWi-Fi 5を上回り、26年1月時点で43.9%に達した。これに対し、24年1月に72.1%を占めていたWi-Fi 6の構成比は、Wi-Fi 7の構成比増に伴い減少へと転じる。26年1月には46.7%まで低下し、1年間で25.4ポイント減少した。規格の主軸はWi-Fi 6からWi-Fi 7へ移行しつつある。
また、製品価格の低下も普及を後押しした要因の一つに挙げられる。Wi-Fi 7対応製品の平均単価は24年1月時点で7万円台だったが、26年1月には1万円台まで下落した。

最後に、Wi-Fi 7対応モデルのメーカー別販売台数シェアをみていく。立ち上がり期はTP-Linkとバッファローの2社がけん引していた。その後エレコムやNECも相次いで参入し、シェア争いは本格化した。長らくTP-Linkが首位を維持していたものの、25年6月にバッファローが46.1%でトップに浮上。以降は首位を守り続け、直近の26年1月には49.9%とほぼ半数を占め、TP-Linkとの差は22.3ポイントまで広がっている。バッファローの躍進に「WSR3600BE4P」シリーズの寄与がある。発売翌月以降、シリーズ別でも首位を維持している。
無線LANルーター市場は販売数量こそ縮小しているものの、Wi-Fi 6からWi-Fi 7への移行が進み、規格面では転換期を迎えている。FTTHアクセスサービスの純増鈍化により「量」の成長余地が限られる一方、市場ではWi-Fi 7への世代交代という「質」の変化が進行中だ。Wi-Fi 7は23年12月22日に日本で正式に利用可能となったが、解禁から2年以上が経過した現在もシェアは過半に達していない。本格的に主流となるまでには、もう少し時間がかかりそうだ。(BCN総研・大嶋敬太)




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