あなたのビジネスを加速させる！POSデータ分析の超基本

BCN総研ブログ
10月27日
読了時間: 4分

更新日：11月4日

ビジネスを成長させるためには、お客様のニーズを正確に捉え、効果的な戦略を立てることが不可欠です。その強力な武器となるのが「POSデータ分析」です。今回は、POSデータ分析の基本的な考え方と、ビジネスを加速させるための「超基本」を分かりやすくご紹介します。

POSデータ分析とは？

POSデータ分析とは、お店で商品が売れるたびに記録される「POSデータ」を様々な角度から調べて、ビジネスの現状やお客様の購買行動の傾向を明らかにする活動です。単に「何が売れたか」を見るだけでなく、「なぜ売れたのか」「次に何をすべきか」といった、ビジネスの意思決定に役立つヒントを見つけ出すことが目的です。

なぜPOSデータ分析がビジネスを加速させるのか？

POSデータ分析を行うことで、経験や勘に頼るだけでは見えなかった事実が明らかになり、より効率的で効果的なビジネス戦略を立てられるようになります。

1. 無駄をなくす: 売れ残りがちな商品や、あまり効果のないプロモーションなどがデータから見えてくるため、無駄なコストを削減できます。

2. チャンスを掴む: 売れ筋商品や、お客様が求めているものがデータから分かるため、新たな商品開発やサービス改善のチャンスをいち早く掴むことができます。

3. お客様を深く理解する: どんなお客様が、どんな商品を、どんな時に買っているのかが分かるため、お客様一人ひとりに合わせたきめ細やかなアプローチが可能になります。

POSデータ分析の「超基本」3つの視点

POSデータ分析には様々な手法がありますが、まずは以下の3つの基本的な視点から始めてみましょう。

視点1：売上トレンド分析

これは、商品の売上が時間とともにどのように変化しているかを見る分析です。

・日次・週次・月次の売上推移: 特定の商品やカテゴリの売上が、日ごと、週ごと、月ごとにどのように変動しているかを確認します。季節性やイベントの影響などが分かります。

・前年同月比・前週比: 過去のデータと比較することで、成長しているのか、停滞しているのか、あるいは下降しているのかを客観的に評価できます。

活用例: 「夏に向けてアイスクリームの売上が伸び始めたから、早めに仕入れを増やそう」「昨年のクリスマス商戦で最も売れた商品はこれだから、今年も力を入れよう」といった具体的な計画に繋がります。

視点2：商品構成分析（ABC分析）

これは、売上への貢献度が高い商品から順にランク付けする分析です。特に「ABC分析」という手法がよく使われます。

・ Aランク商品: 売上の大部分を占める、非常に重要な商品です。品切れを起こさないように注意し、積極的にプロモーションを行います。

・ Bランク商品: Aランクほどではないが、安定した売上のある商品です。販売促進策を検討し、Aランクへの昇格を目指します。

・ Cランク商品: 売上への貢献度が低い商品です。在庫の見直しや、販売終了も視野に入れた検討が必要です。

活用例: 「Aランクの主力商品を店頭の目立つ場所に配置しよう」「Cランクの商品は、この機会にセールで売り切ってしまおう」といった、効率的な商品管理や販売戦略に役立ちます。

視点3：顧客購買行動分析（バスケット分析）

お客様が一度の買い物で、どのような商品を組み合わせて購入しているかを見る分析です。前回の記事でも触れた「バスケット分析」がこれにあたります。

・併売商品: 「パンを買う人は牛乳も買う」「ビールを買う人はおつまみも買う」といった、一緒に買われやすい商品の組み合わせを見つけ出します。

活用例: 「一緒に買われやすい商品を近くに陳列する」「セット割引を導入する」といったクロスセル戦略や、新たな商品開発のヒントにもなります。

分析を始めるためのツール

これらの基本的な分析は、Excelなどの表計算ソフトでも十分可能です。しかし、より多くのデータを効率的に扱うには、POSシステムに搭載されている分析機能や、BI（ビジネスインテリジェンス）ツールを活用すると良いでしょう。これらのツールは、複雑なデータをグラフや表で分かりやすく表示してくれるため、分析結果を直感的に理解し、次のアクションに繋げやすくなります。