競合に差をつける！POSデータで市場トレンドをいち早く掴む方法

BCN総研ブログ
11月19日
読了時間: 4分

ビジネスの世界では、市場のトレンドをいち早く掴み、それに対応した戦略を立てることが、競合に差をつけるための鍵となります。しかし、「トレンド」は目に見えないものであり、掴むのが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、日々の売上データである「POSデータ」を分析することで、市場の小さな変化や、これから来る大きな波を、誰よりも早く察知することができます。今回は、POSデータを活用して市場トレンドを掴み、ビジネスを優位に進めるための具体的な方法をご紹介します。

市場トレンドを掴むことの重要性

市場トレンドを掴むことは、単に流行に乗ることではありません。それは、顧客ニーズがどこに向かっているのか、市場全体がどのように変化しているのかを理解し、将来のビジネスチャンスを見つけるための羅針盤を持つことに他なりません。

・新商品開発の成功率向上:トレンドに合った商品を開発することで、市場に受け入れられる確率が高まります。

・在庫リスクの低減:トレンドの終焉を察知できれば、過剰在庫になる前に手を打つことができます。

・効果的なマーケティング:トレンドに合わせたメッセージを発信することで、顧客関心を引きつけやすくなります。

POSデータで市場トレンドを掴む3つの視点

市場トレンドは、ある日突然現れるものではなく、日々の小さな変化の積み重ねによって形成されます。POSデータは、その小さな変化を捉えるための最も客観的でリアルな情報源です。

視点1：売上トレンドの「異常値」に注目する

通常の売上推移から見て、急に売上が伸び始めた商品や、逆に急激に落ち込んだ商品がないかを探します。この「異常値」こそが、市場の変化を示すサインである可能性が高いです。

・急上昇した商品:なぜこの商品が急に売れ始めたのか？テレビやSNSで話題になったのか？季節の変わり目か？その要因を深掘りすることで、そのトレンドが一時的なものか、長期的なものかを見極めます。

・急降下した商品:なぜ売れなくなったのか？競合他社がより魅力的な商品を発売したのか？顧客の関心が他の商品に移ったのか？その原因を特定することで、次の対策を迅速に打つことができます。

視点2：ニッチな商品の「成長率」を追う

まだ売上全体に占める割合は小さいものの、前年比や前月比で高い成長率を示しているニッチな商品カテゴリに注目します。これは、これから市場が拡大していく可能性を秘めた「芽」であるかもしれません。

【事例】

ある時期、全体の売上は横ばいなのに、「グルテンフリー食品」や「プラントベース食品」といったニッチなカテゴリの売上が、前年比で200％以上の成長を続けていることがPOSデータから判明したとします。これは、健康志向や環境意識の高まりという大きなトレンドの「芽」を捉えている可能性が高いです。この「芽」をいち早く見つけ、関連商品の品揃えを強化したり、専門コーナーを設けたりすることで、競合他社に先駆けて市場の成長を取り込むことができます。

視点3：併売商品の「新しい組み合わせ」を探す

バスケット分析を定期的に行い、これまで見られなかった新しい商品の組み合わせが生まれていないかをチェックします。顧客ライフスタイルや嗜好の変化は、商品の新しい使い方や組み合わせとして現れることがあります。

【事例】

これまで一緒に買われることが少なかった「高性能な調理家電」と「冷凍のミールキット」が併売されるケースが増加していることが分かったとします。これは、「忙しいけれど、自宅で本格的な料理を楽しみたい」という新しいニーズが生まれていることを示唆しているかもしれません。このトレンドを掴めば、両商品をセットで提案するプロモーションを行ったり、調理家電メーカーと共同で新しいミールキットを開発したりといった、革新的な戦略を立てることができます。